SFの中でも歴史は繰り返すのか「銀河英雄伝説4 策謀篇」
my本棚95冊目は銀河英雄伝説の4巻です。10分の4まで来ました。まだ先は長いですが、読み終えるたびにその後の展開が気になってしょうがなくなります。
<過去記事>
「銀河英雄伝説1 黎明篇」をゲーム感覚でのめり込む様に読みました
本当は一気に読み終えてしまいたい気持ちもあるのですが、他の本も読みたくなってしまうのと、何だかもったいない様な気もして、1か月に1巻くらいのペースで読み進めています。このままだと年内には10巻まで読み終えられそうですが、外伝5巻までとなると来年までかかりそうですね(汗)
今巻も波乱の展開が待ち受けていました!
<あらすじ>
第三勢力フェザーンが張り巡らせる陰謀の糸に操られ、ゴールデンバウム朝の残党は無謀な賭に出た。銀河帝国皇帝の誘拐、自由惑星同盟への亡命ーーそして帝国正統政府の樹立。だが、その裏でフェザーン高官と密約を交わしていたラインハルトは、同盟に対して大攻勢に出ることを宣言、彼らの思惑を逆手に取り、フェザーン回廊を抜けて本格的な進攻に着手する。二国を見舞うかつてない帝国軍の猛攻。そしてラインハルトの戦略を見抜きながらもイゼルローン回廊防衛から動けないヤンと、帝国軍の双壁の一人、ロイエンタールとの死闘の幕が上がる!
物語の序盤を除くとこれまでは帝国軍と同盟軍の小競り合いという印象もありましたが、今巻からはついに直接対決という雰囲気が強くなってきました。フェザーンと帝国が手を組むことにより、同盟軍というかヤン・ウェンリーが窮地に立たされていきます。
しかし、巻を追うごとにヤンの被保護者であるユリアン・ミンツの存在感が増してきますね。今回で少尉にまで昇格しますが、最終的にどこまで昇格するのでしょうか。彼の将来が楽しみです。
それにしても、やはり銀英伝が面白いのは、SF小説という形式をとっていながらも、まるで歴史小説を読んでいるかと錯覚してしまうような所にあるのではと思います。さらに未来の視点から物語を進めているような書き方もそうですが、幼い皇帝をあえて誘拐させることで同盟軍に侵攻する大義名分を作るラインハルトの戦略の巧みさたるや、歴史の中の出来事と勘違いしてしまいそうになります。
そういった、いかにも歴史にありそうな出来事が壮大な宇宙の中で起きているという構成が、出版から30年経っても色あせない理由なのだと思います。
今からでも決して遅くはないですから、ぜひ読んでみて下さい。
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