備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

【112冊目】壁にぶつかったら「憂鬱でなければ、仕事じゃない 見城徹 藤田晋」を読め

憂鬱でなければ、仕事じゃない

 

my本棚112冊目は、出版社の幻冬舎の社長である見城徹さんと、AbemaTVなどでおなじみのサイバーエージェントの社長である藤田晋さんの共著です。

 

タイトルになっている「憂鬱でなければ、仕事じゃない」という言葉は見城さん自身の言葉であり、(表紙の文字も自筆だそうです)この言葉を聞いた藤田さんがツイッタ―に書きこむと、驚くほどの反響があったそうです。私もこのところちょっと本業の方で壁にぶつかっている感覚があり、この本のタイトルにひかれて手に取りました。

 

タイトルに留まらず、見城さんの熱い気持ちや言葉が綴られており、それに対応してネット社会を切り拓いてきた藤田さんの実体験に基づいた解説が加えられています。

 

見城さんのことは恥ずかしながらこの本を読むまでよく知らなかったのですが、常人ではないなというエピソードを数多くお持ちです。石原慎太郎氏と仕事をするために、氏の本を2冊丸暗記し、本人の前で暗唱したのだとか。これには石原さんも苦笑し、「わかった、もういい。お前とは仕事をするよ」と言ってくれたそうです。

 

そんな見城さんの言葉の中から、私が特に感銘を受けた部分を抜粋、引用します。

フランスで香水作りの盛んなグラースという街で、いい匂いを作りだすために、あえて一滴の悪臭を入れることで、極上の香りに進化することを聞いたという話から転じて、

香水における悪臭は、人間にとっての劇薬に当たる。僕はここぞという勝負の時に、劇薬を一滴だけ用いる。劇薬だから、顰蹙を買う。まかり間違えば自分が破滅する。もちろん、ふだんは良薬であればいい。ある程度の効き目を示し、穏やかで、副作用も無い。でも、通り一遍ではない、破格のことをするには、劇薬が不可欠だ。<中略>では、どうすれば、自分の中で劇薬を精製することができるのか。いつも身体を張ることである。リスクを負って、ぶつかることである。その苦しみが、体に染み込み、沈殿し、結晶化することで、ほんの一かけらの劇薬を、得ることができる。それは経験しなければ解らない。

 前段、仕事で壁にぶつかっていると書きましたが、見城さんからしたら私の壁なんて低すぎて簡単に越えていってしまうでしょう。覚悟を持って、リスクを負って仕事という壁にぶつかっていくことが必要なのだと励まされた気になりました。

 

私が引用した部分は見城さんの熱い気持ちのほんの一部分です。この本を読めば仕事とはどういう心構えでのぞむべきなのかが見えてくると思いますので、ぜひ読んでみて下さい。

 

憂鬱でなければ、仕事じゃない

憂鬱でなければ、仕事じゃない

 

 kindle版もあります