備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

壊すよりも生み出すのが大事「呪いの時代 内田樹」

呪いの時代

 

my本棚79冊目は内田樹さんが2011年に出版した「呪い」についてのエッセイです。
wikipediaによると内田さんは哲学研究者であり、コラムニストであり、思想家、倫理学者、武道家、翻訳家…と幾つもの肩書をお持ちです。

 

今回の本はテーマが「呪い」ということもあり、エッセイとしては文章が高尚でやや難解です。私は内田さんの著書を初めて読んだのですが、言葉遣いが決して簡単ではないものの、その意見の至極まっとうな所にひかれました。

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やりたくてもできないという悩みは「自分の時間を取り戻そう ちきりん」を読めば解決できる

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

 

my本棚78冊目は社会派ブロガ―のちきりんさんがつい先日出版した新刊です。
この本は、2011年に出版された「自分のアタマで考えよう」(読んだのがブログやる前で記事は書いてません…)、2015年の「マーケット感覚を身につけよう」に続く、「これからの社会を生き抜くために身につけるべき能力」シリーズの第3段になります。

自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう

 

 

第3段は時間についてがメインテーマです。長時間労働や子育て、家事に追われ、本当にやりたいことがなかなかできないですよね。私も仕事と子育てで時間の大半が占められているのでゆっくりTVを見ることもできません(こうしてブログは書いていますが汗)。

 

しかし、その様に時間がない生活になってしまうのには生産性が影響しているようです。時間を生みだすために生産性を意識するというのが本書で語られています。

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「ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ 茂木誠」を読んだら複雑な国家間の思惑がわかってきた

ニュースの

 

 

my本棚77冊目は世界史の塾講師、茂木誠さんの本です。
iPadを駆使した独自の資格的授業が支持を集めているとのことで、こちらの本もまるで授業を聞いているかのように、わかりやすく世界史を解説してくれます。

 

最近、池上彰佐藤優の対談3部作についての記事を書きましたが、世界史はマイブームとなっています。

 

茂木誠さんについては、少し前にポッドキャストの「ラジオ版 学問ノススメ」というのを聴いておりまして、その番組の中でゲストとして世界史や地政学について解説されていました。それぞれの国の立場になった視点で思惑を語ってくれますので、ニュースで聞く事象が「なぜ?」起こっているのかがわかります。

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「父として考える 東浩紀・宮台真司」を読んでコミュニケーションの大切さを感じたよ

父として考える (生活人新書)

 

my本棚76冊目は批評家の東浩紀さんと社会学者の宮台真司さんによる対談本です。
お二人が2009年9月と2010年2月に対談した内容をまとめた構成になっています。対談当時、お二人には3~4歳の娘さんがおり、育児を通して見えてきたこと、考えたことが書かれています。

 

父とはどうあるべきか、といった家族論であるとか、育児のアドバイスとかはほとんどありませんので、正直育児の参考にはなりませんwただ、博学なお二人による、育児を通したコミュニケーション論や教育論、社会論が語られていますから、読んでおいて損はないですよ~。

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タイムトラベルの古典的名作「夏への扉」を読んでさわやかな気分に包まれました

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

my本棚75冊目は超有名SF小説夏への扉」です。
今更ながらSF小説を読みだした私ですが、とにかく何から読んだらいいかわからなかったのでおすすめを調べてみると、必ずと言っていいほどこの本が挙がっています。

 

著者のロバート・A・ハインライン(1907年生~1988年没)はSF界の代表とも言える作家で「SF界の長老」とも呼ばれているのだとか。この作品も1956年に発表されたものですからもはや古典と言ってもよいレベルではないでしょうか。

実際、この小説は「タイムトラベル」ものに属するわけですが、基本の舞台が1970年、未来の世界が2000年なので、もう我々はさらに未来の中を生きています。

しかし、小説自体は色あせていなく、今読んでも納得の面白さでした!

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トランプが大統領に選ばれるためにとった戦略とは 「新・リーダー論 池上彰・佐藤優」

新・リーダー論大格差時代のインテリジェンス (文春新書)

 

my本棚74冊目はつい先日発売されたインテリジェンスの雄、池上・佐藤の対談本第3弾です。

(第1、2弾のレビューはこちら)

「新・戦争論 池上彰・佐藤優」を読んで歴史と国際情勢を学ぼう

賢者は歴史に学ぶ「大世界史 池上彰・佐藤優」

 

 

今回のテーマは「リーダー」。人は誰しも自分を導いてくれるリーダーを必要としますが、辺りを見渡してもそういった人物はなかなか現れません。
世界各国のリーダーを見ると、中国の習近平やロシアのプーチン北朝鮮金正恩など、力を持っているけれども危険な人物が目立ちます。

そこへきてついにアメリカではトランプが大統領選に勝利しました。今回の本はまだ勝利より前の段階ですが、両氏による詳しい分析がなされています。

 

前の対談本2冊は世界史に重点を置いた構成となっていましたが、3冊目のこの本はイギリスのEU離脱パナマ文書、ピケティ、オバマ広島訪問など、この1年あたりに起こった話が多くなっています。

ここ最近の時事ネタ、国際情勢を把握するのにうってつけだと思います!

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トランプが大統領に選ばれたので「日本人のための集団的自衛権入門 石破茂」を読んでみた

日本人のための「集団的自衛権」入門 (新潮新書 558)

 

my本棚73冊目は防衛庁長官防衛大臣農林水産大臣などを歴任した自民党の政治家であり、国防のプロとも言える石破茂さんの本です。

池上彰さんと佐藤優さんの本を読んだりニュースを見聞きする中で、だんだんと国際情勢にも興味が沸いてきました。そこへ大方の予想を覆すトランプの大統領選勝利ときたものですから、ますます今後の情勢が気になってきます。

 

トランプは米軍の日本撤退を主張しています。莫大な費用をかけてまで、「世界の警察」として日本に軍を置いて中国といったライバル国を抑制するメリットがあるのかどうかという議論になっています。

アメリカが守ってくれると楽観的に考えられるのも限界に来ているのかもしれません。そこで、石破さんによる「集団的自衛権」の解説を読んでみることにしました。

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