備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

ワールドカップアジア最終予選があるので「こう観ればサッカーは0-0でも面白い 福西崇史」を読んでみた

こう観ればサッカーは0-0でも面白い (PHP新書)

 

my本棚59冊目は元サッカー日本代表で今は解説者の福西さんが書いたサッカーを観るための本です。

私はスポーツ観戦はほとんどしないんですが、唯一見たくなるのはフィギュアスケートサッカー日本代表戦です。
どちらもにわかなので、スケートはジャンプの見分けなんてできませんし、サッカーも経験者ではないですからぼんやりと試合の流れを楽しんで、ゴールが決まれば喜ぶといった程度でした。

しかし、もう少し玄人っぽい見方をしたい!と思っていたので、今回紹介するこの本を手に取ってみたのです。
一流のサッカー選手であり解説者でもある福西さんの視点は、学べるところが数多くありました。

 

いきなり結論ですが、著者の主張するサッカーで見るべきポイントは、

ボランチ
②戦術
③個の力

の3つです。


①のボランチは、まさに著者が担っていたポジション。
ボランチとはポルトガル語で「舵取り」や「ハンドル」という意味だそうですが、意味通りチームをコントロールする役割に当たります。
今の日本代表ですと長谷部誠選手、少し前までは遠藤保仁選手がこのポジションの代名詞的存在で、司令塔ともよく呼ばれます。

このポジションにあたる人が、どうように攻撃の起点となる様なパスを出すのか、ボールを奪われたときどのように対処するのか、味方との距離をバランスを見ながらどうやって取っていくのか…。
ボランチは中心人物に当たるだけに、その役目は多岐に渡ります。
その人の動きを見るだけで、そのチームがどんな②の戦術をとるのかも見えてくるとのことです。

 

そこで②の戦術ですが、サッカーを見ていると3-4-3とか、4-2-3-1といった数字と共にメンバーがどこにいるかという図が紹介されますよね。
あれが戦術の一端で、あの配列から自ずとそれぞれの役割が決まって来るそうです。
今までなんとなくでしか見ていませんでしたが、これからは配列のシステムも把握して俯瞰でサッカーを見てみようと思いました。

 

そして③の個の力。本田圭佑選手がよく言及しているイメージがありますが、著者が一言で表すと「一対一の局面で勝つ力」だそうです。

巧みなドリブルか、一瞬の隙を突くパスか、それぞれ得意分野があるでしょう。
ドリブルでも足先の上手さもあれば、スピードの速さもあるでしょうから、個性は色々とありそうです。体力・スタミナも当然武器になります。

そういった個人が持つ能力をどこまで伸ばせるか、それが11人という組織の力にも繋がって来るようです。
個人の魅力を把握して、その魅力が出た部分が分かれば、もっと楽しく観戦できるのではと思わされました。

 

今回の本には上に挙げたサッカーの見所を紹介するにあたり、過去~現在のトップクラスの選手やチームが数多く好例として挙げられています。
名選手や名チームの所以を知ることができ、とても勉強になりました!
ワールドカップの最終予選がますます楽しみです~!