備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

真田丸を見てるあなたは「関ヶ原 司馬遼太郎」も読むといい

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

 

my本棚43冊目は歴史小説家の大家、司馬遼太郎さんの小説です。
司馬遼太郎と言えばこれまでの多くの方に読み継がれていて、そしてこれからも末長く読まれていくだろうことから、歴史小説家でありながら自らも歴史的な人物になってしまった人ではないでしょうか。

私も以前から氏の小説はいくつか読んでいます。

燃えよ剣
竜馬がゆく
坂の上の雲(途中で挫折してます…汗)
国盗り物語
・新史太閤記

で、何でこの度「関ヶ原」を読んだかというと、

国盗り物語~新史太閤記に続く「戦国三部作」の三作目だから
真田丸やってるから

という安直なものですw
著者の作品の中ではあまりメジャーではないのかも知れませんが、この作品も氏の力強さを感じる話になっていましたよ!

 

タイトル通り、この作品は豊臣秀吉死後の関ヶ原の戦いを書いたものです。
主人公は秀吉の側近だった石田光成真田丸では山本耕史さんが演じていますね)と、後に天下を取る徳川家康(こちらは内野聖陽さんが演じています)です。また副主人公として光成の重臣島左近、家康の重臣本多正信(演:近藤正臣さん)がいます。

端的に言うと挙げた4人が智略を尽くして天下を狙う(守る)という話なのですが、その中でも各々の心理描写が巧みです。

光成は豊臣家への義を重んじすぎるがゆえに他人への配慮に欠けあまり人徳がなく、その上まっすぐな性格なため家康の計算にはまってしまう悲しさ・愚かさが痛いほど伝わってきます。

一方、臆病だからこそ演技や謀略を尽くして盤石の手を打つ家康とそれをサポートする正信。悪役っぽく描かれていますが天下を手にするにはこの位の老獪さが必要なのだと感じされられます。(その辺りは真田丸でもうまく描かれてますよね)

 

そして関ヶ原の戦いは日本列島北から南まで多くの武将を巻き込んでの戦いですから、登場人物がとにかく多い!
真田丸でも活躍中の武将が数多く出てくるのですが、一人ひとりの人物描写が上手ですから、長編ですけどどんどん読み進んでしまいます。

 

もちろん、真田の面々も登場するのですが…
ぶっちゃけ、堺雅人演じる信繁(幸村)は一瞬しか出てきません!w

秀吉(演:小日向文世)にかわいがられていたというエピソードが書いてある位で、ほんと数行レベルです…。
その代わりというのもなんですが、父である昌幸(演:草刈正雄)は信州という小国でなければ大大名になっていたという様な評価で、家康にも負けない知略で活躍するシーンが書かれています。
きっとこのシーンもこれから真田丸で描かれることでしょう!

 

ちなみに、この「関ヶ原」という作品は、司馬遼太郎の「家康三部作」の二部にあたります。

続編にあたる三部の「城塞」では大坂夏の陣、冬の陣が舞台で、この作品にはきっと信繁がたくさん出てくるはず!近いうちに読んで、また感想書きます~!

 

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

 

 kindle版の上中下セットもあります!(お値段高いけど) 

関ヶ原(上中下) 合本版

関ヶ原(上中下) 合本版

 

 

2017年には映画も公開されるようです!
キャストは光成がV6の岡田潤一、ヒロインの初芽に有村架純、家康が役所広司ということで、こちらも楽しみですね~。

 

<10月22日追記>
続編「城塞」も読みました!こちらの記事もぜひご覧ください!