どんな本を読んだらいいか迷ってしまうあなたに 「読まなくてもいい本の読書案内 橘玲」
my本棚も99冊目まで来ました。ブログ運営の記事を見ると、100記事書いてからが本番なんてことがよく書いてあるのですが、これでようやく本番なんですかね。確かにおかげさまで(?)はじめのころよりも本を読むのも文章を書くのも上達したかなと思います。もちろん人に読んでいただければ嬉しいですが、何より自分の読んだ本の備忘録として、今後もブログ運営を続けていこうと思います。
前置きが長くなりましたが、今回は投資や経済、社会時評に精通した作家、橘玲さんの本です。去年は同じく氏の著書「言ってはいけない」がベストセラーになりましたね。
↑の本には現代の進化論が解き明かした残酷で面と向かっては言いにくい真実が書かれていましたが、今回紹介する本にも進化論について触れられています。
読まなくてもいい本とは何なのか。著者はまえがきで以下の様に主張しています。
「何を読めばいいんですか?」と訊かれるたびにぼくは、「それより、読まなくてもいい本を最初に決めればいいんじゃないの」とこたえてきた。<中略>20世紀半ばからの半年で、“知のビッグバン”と形容するほかない、とてつもなく大きな変化が起きた。<中略>これがどれほどスゴいことかというと、もしかしたら何千年も続いた学問分野(たとえば哲学)が消滅してしまうかもしれないのだ。この“ビッグバン”の原動力になっているのが、複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学などのそれこそ爆発的な進歩だ。<中略>書物を「ビッグバン以前」と「ビッグバン以後」に分類し、ビッグバン以前の本は読書リストから(とりあえず)除外するーーこれを「知のパラダイム転換」と呼ぶならば、古いパラダイムで書かれた本をがんばって読んでも費用対効果に見合わないのだ。
そして著者曰く、最新の学問の知見に触れてから、自分の興味のある分野について読み進めていくのが邪道かもしれないが効率的な読書の方法だとしています。確かに私も最近どんな本を読むべきか悩むことが多く、それで読書についての本も読んだりするのですが、こんな考え方はしたことがなかったです。
ということで、この本には“知のビッグバン”の原動力となる複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義がどういったものか、最新の研究が紹介されています。
どの分野でも知らなかったことが多く勉強になったのですが、個人的になるほど、と思ったのはリンゴはなぜ赤いかということについてです。
何だか哲学的な問いで答えがないようにも思えますが、進化生物学によると、
・リンゴなどの果実を実らせる植物は、鳥や哺乳類に果実を食べさせ、遠くに糞として種子を運ばせる
・植物は光合成のため葉を茂らせるが、葉の緑色の補色(反対色)にあたるのが赤やオレンジとなるため、果実を目立たせるために熟して種ができると赤く色づく
というのが理由になるそうです。動植物の進化には合理的な理由があるんですね。
そのほかにも、最新の研究や学問について書かれている「読んだ方がいい」本がたくさん紹介されています。それらの入門として、ぜひ手始めに橘さんの本を読んでみて下さい。
「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本)
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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