備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

夫婦関係がうまくいっていないと思ったら「産後クライシス」

(009)産後クライシス (ポプラ新書)

 

my本棚58冊目は育児本…というよりはパパママに焦点をあてた本です。
著者の内田明香さんと坪井健人さんはNHKの記者さん・ディレクターさんで、題名にもなっている産後クライシスについて2012年9月にNHKの「あさイチ」で取り上げた方々です。

もともと主婦から絶大な支持がある番組ですが、その中でも産後クライシスについての放送は反響が大きかったらしく、書籍化に至ったようです。

 

私自身、先日第二子が生まれたばかりなのですが、第一子が生まれた頃から、今までの妻との関係が良くも悪くも変化した実感はあります。
私に限らず、世間一般的に悪い方への変化を事前に想定できている男性はかなり少ないのではないでしょうか。

子育てに関する本を読んで勉強するのはもちろんですが、夫婦関係が取り返しのつかないことになる前に、この本も読んでおいた方がいいと思います。

 

そもそも「産後クライシス」とは、出産後に夫婦の愛情が急速に冷え込む現象のことを指しています。
子供が生まれる=幸せと考える人は多いと思いますが、現実は思わぬ落とし穴があるようです。

本の中で紹介されている、ベネッセが調査したデータによると、妊娠期に夫を本当に愛していると実感している妻の割合は74.3%なのに対して、子供が2歳になっている時点で夫を本当に愛していると実感している妻は34.0%しかいないそうです。

妊娠期でも25%は愛してないのかよ…という気もしますが、子供が2歳になる頃には夫を愛していると答える人は3人にひとりしかいないという現実。
それ位、出産後の夫婦関係は難しいものなんですね。

 

なぜこんなにも夫婦関係がこじれてしまう人が多いのかと言えば、コミュニケーション不足男女の考え方の違いに原因があるようです。

コミュニケーション不足は、夫側が仕事が追われ会話が少なくなるケースが多そうです。
子供が生まれたから一層頑張らねばと思う面もあるのでしょうが、つい家庭をないがしろにしてしまいます。
一方、妻は子供の世話や家事で精いっぱい。夫に共感を求めますが、それがうまく伝わらないため、ストレスが増加してしまうのだそう。

女性は言わなくても察してほしいと考えがちですが、男性ははっきり言われないと気付けないもの。
その辺りの考え方の違いも、うまくいかない原因のようです。

 

男女の違いに関しては最近読んだ橘玲さんの「言ってはいけない」にも書いてありましたが、脳の構造が違うのですから、その辺りをお互いが理解している必要があります。

 

環境の大きな変化で余裕がなくなるのは無理もありませんが、そんな中でもお互いを思いやる心が大切だとこの本を読んで改めて感じました。

これから親になるという方はもちろん、すっかり夫婦関係が冷えてしまった方でも、何かしらのヒントが得られると思いますので読んでみて下さい!

 

(009)産後クライシス (ポプラ新書)

(009)産後クライシス (ポプラ新書)