備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

【108冊目】これ一冊で最先端の知見が得られる「人類の未来 吉成真由美」

人類の未来―AI、経済、民主主義 (NHK出版新書 513)

 

 my本棚108冊目はサイエンスライター吉成真由美さんによる世界屈指の知識人のインタビュー本です。

以前にも当ブログで吉成さんの「知の逆転」を紹介しましたが、今回の本は氏のインタビュー本の第三弾ということになります。

(余談ですが…3年前に書いた自分のブログを読んでみると、記事の質も量も大したことなくて恥ずかしいですね。自分が成長していることの裏返しという意味では嬉しくもありますが。)

 

今回の本では各分野の泰斗であるインタビュイーの方々に、AIや経済、民主主義、気候変動など、科学から政治のことまで幅広く取材したことがまとめられています。

その中で、インタビュイーにより意見は必ずしも一致していません。ただ、それゆえ今後の未来を見通す事がいかに難しいかを感じさせられます。未来のことがいつも気になっている私としては、大変勉強になる1冊でした。

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【107冊目】騎士団長殺しを読んだなら「みみずくは黄昏に飛びたつ 川上未映子・村上春樹」も読んでおこう

みみずくは黄昏に飛びたつ

 

my本棚107冊目は作家の川上未映子さんによる村上春樹さんのインタビュー本です。7年ぶりの長編小説となる騎士団長殺しが出版されたばかりですが、それを中心とした村上春樹さんの思いや言葉が綴られています。

このインタビューには騎士団長殺しの内容もたくさん出てくるので、まだ読んでいないという方は注意が必要です。ただ、例え読んでいなかったとしても、村上さんの考えや主張を深い所まで知ることができますから、川上さんのことは好きだけど村上春樹は読んでこなかったという人にもおすすめですよ。

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【106冊目】「銃・病原菌・鉄」を読んだらAIに仕事を奪われても平気な気がしてきた

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

 

久しぶりの更新となってしまいました。本業がバタバタしていたというのもあるんですが、今回紹介するこちらの本を読みこなすのに思いのほか苦労し、更新が遅くなってしまいました(汗)

 

この「銃・病原菌・鉄」という本は2000年1月に翻訳されたものが出版されたのですが、朝日新聞が選ぶゼロ年代の50冊」のベスト1に輝いています。ネットの「読むべき本」や「名著」とかの記事に必ずと言っていいほど出てくる本で、前から読みたいと思っていたのですが、期待以上の内容でした!

 

著者のジャレド・ダイアモンド博士はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授で生理学者、進化生物学者、生物地理学者。そんな肩書を持つ著者が、とあるニューギニア人から問われた「なぜ欧米人は様々な物質を作りだしてニューギニアに持ち込んだのに対し、ニューギニアは何も物質を作りださなかったのか」という疑問に対して出した回答がこの本のタイトル「銃・病原菌・鉄」となります。

 

正確には、南アメリカ大陸のインカ帝国ユーラシア大陸のスペイン人により征服された主な理由が「銃・病原菌・鉄」の3つにあったことから、約1万3千年前に世界各地で狩猟採集生活を行なっていた人類が、どうして住む場所によって技術進歩に差が出てしまったのかを考察していくというのがこの本の趣旨ということになります。

 

読んでいてなるほど!と思うことばかりでなかなか先に進まず、非常に刺激を受けたのですが、読んだうえで得た教訓みたいなことを書いておきます。

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【105冊目】戦略と戦術の違いは「銀河英雄伝説6 飛翔篇」を読めばわかる

銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 (創元SF文庫)

my本棚105冊目は月に一度のお楽しみ(?)になってきた「銀河英雄伝説」の第6巻です。ようやくこの物語も後半に入ってきました。

これまではラインハルトとヤンという2人の主人公を軸にストーリーが進んできましたが、この6巻からは3人目の主人公としてヤンの被保護者にあたっていたユリアンが加わったという感じがします。また、これまで謎の存在だった地球と地球教の存在感も増してきて、物語がさらに深まっています。

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【104冊目】「座らない!成果を出し続ける人の健康習慣」を読んで正しい食事・運動・睡眠を学ぼう

座らない!: 成果を出し続ける人の健康習慣

 

my本棚104冊目は健康に関する本です。著者のトム・ラスさんはアメリカの世論調査会社ギャラップに所属している人間行動学の専門家です。以前当ブログで紹介した幸福の習慣の著者でもあります。

また、この本は以前勝間和代さんが紹介していて、読みたいな~と前々から思っていました。健康に関してはこのブログではあまり言及していませんが、結構興味があります。というのも、体が本調子でないとパフォーマンスの低下が著しいし、気分よく過ごせないと自分でわかっているからです。なので私はお酒も普段飲まないし(単純に飲めないというのもありますが…)、睡眠は少なくとも6時間以上は取る様に心掛けています。

今回紹介する本には、食事や睡眠、運動が健康面に与える影響について詳しく書かれています。この本に書かれている行動を実践すれば、もれなく健康になれること請け合いです!

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【103冊目】ブログが地獄から抜け出す一歩に「肩書き捨てたら地獄だった 宇佐美典也」

肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方 (中公新書ラクレ)

 

年度替りでなかなか読書もブログを書く時間も取れませんでした…。環境が大きく変わった方もそうでない方も、年度替りで心機一転、がんばりましょう~。

というわけで(?)、my本棚103冊目は、東大卒で元官僚の宇佐美典也さんの本です。タイトル通り、著者が官僚というこれ以上ない肩書を捨ててしまったがゆえの苦悩や、地獄から抜け出すためにしてきたことが赤裸々につづられています。

 

著者が地獄から抜け出すためにフル活用したのが、官僚時代から続けていたブログだったそうです。ブログを書くことやこれからの時代を生き抜くためのヒントが書いてあるのではと思い、この本を手に取りました。

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【102冊目】年間120冊の学術書を読む「米国製エリートは本当にすごいのか? 佐々木紀彦」

米国製エリートは本当にすごいのか?

 

my本棚102冊目は、経済情報に特化したネットニュース共有サービス「NewsPicks」の編集長、佐々木紀彦さんの本です。

この本は氏が2011年に出版したもので、当時は「週刊 東洋経済」の記者さんでした。そんな氏が、2年からのスタンフォード大学留学時の経験や知見を1冊にまとめたのが今回紹介するこの本です。

 

米国製エリートはすごいのか?もちろんこのタイトルは反語になっていますから、(すごいところもあるけれども)決して全面的にすごいわけではないよと言いたいわけです。ただこれは日本にいるだけではわからないことですから、留学経験のない私の様な人や、留学してみたいと考えている学生・社会人の方は一読の価値ありだと思います。

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