備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

ブロガーにとって大切なことがわかる1冊「職業、ブックライター。 上阪徹」

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法

 

my本棚85冊目は本のタイトル通り、ブックライターとして活動されている上阪徹さんの本です。

俗にゴーストライターなどとも呼ばれますが、経営者やスポーツ選手などにインタビューを行ない、本に仕立てていくお仕事を著者はブックライターと名付けています。

 

副題は「毎月1冊10万字書く私の方法」です。このブログで1500字の記事を書くにも一苦労な私にとって、どうやったらそんなに書けるんだと気になり、この本を手に取りました。

読んでみると、内容が非常に実践的でなるほどなと思うことばかりでした。しかし、それよりもびっくりしたのが、著者が手掛けた本の中のひとつに私が学生時代から心の支えになっていた「プロ論。」があったこと。

 

プロ論。

プロ論。

 

 50人の著名人の仕事や思いがまとめられた本なのですが、自分がどう生きていこうか迷った時、定期的に読み返しています。一生懸命の大切さを気づかせてくれる本です。

 

…このまま違う本の紹介になってしまいそうなので話を戻しますが、上阪さんのプロ意識が随所に見られる良い本でした!

 

今回紹介する本に書かれているのは、著者である上阪さんのブックライターとしての仕事のスタイルのほか、出版社や編集者との関係、取材や執筆の方法などです。ほんとにここまで書いちゃっていいんですかという位、具体的に書かれています。もちろん真似できないほどの域にあるからこそ、具体的に書けるのだと思います。

 

私自体はライターを志しているわけではありませんが、こうしてブログを書く上でも参考になる部分はたくさんありました。

著者が本を執筆するにあたって大切にしていることのひとつは、読者について考えをめぐらすことだそう。

ターゲットは誰なのか、ということ。できるだけターゲットに「刺さる」本にするために、ターゲットをとにかく考え続けるのです。タ―ゲットは何を考え、どんな課題を抱え、どんな意識で何をしようとしているのか、想像していくのです。ぼんやりと「世間一般」というターゲットでは、誰にも刺さらない、なんてことになりかねません。逆に、メインターゲットを絞り込んだほうが、その周辺にいる人たちも興味を持ってくれたりする。中途半端な読者像の設定が、一番危険だと私は思っています。

 当ブログも私の読書備忘録ではありますが、少しでも世の中の役に立てればいいなという思いもあります。がむしゃらに書くのではなく、紹介する本と私の感想がそれを必要とする人に届くように書いていきたいです。

 

そして著者が大切にしていることのもうひとつは、素材にこだわることです。取材相手の経験や事実、意見をいかに引き出すかがカギとなっています。

それこそブックライターとしての仕事も、素材を集める段階でクオリティの七割は決まってしまうと思っています。書くことの重要性は、三割に満たない。それくらい言い切ってもいいと考えています。<中略>読者にとって注目に値する素材があるのであれば、それだけで十分、本になりうる。逆にいえば、本を書くのだから文章力が必要だ、などと考える必要はないと思っています。それより大事なのは、素材であり、素材を見つけてくる力です。

 内容さえしっかりとしていれば、文章が多少変だって伝わるものなんですよね。内容が伴っていないからこそ、文章で取り繕う必要が出てきてしまうのだと思います。文章力を超えるようなメッセージを出していくのが重要なのではないでしょうか。

 

あとがきで著者は、ブックライタ―として著名な人たちにインタビューをすることを通じて、人間として大きく成長出来たと語っています。

ブックライターとして生きる、ということは、そうした著名人と接することで、日常的に自分に負荷をかけられる、ということでもあります。しかし、そのことが、自分自身を大きく成長させたことは間違いないと思います。もっといえば、才能がある著名人と同等レベルにまで自分を引き上げなければ、信頼をもらうことができないこともある。人間としての大きな成長も、求められてくるのが、この仕事だと思っています。

 著者には遠く及ばないと思いますが、「プロ論。」の様な本を読むことや、書評を書くことも著名人と接し、自分に負荷をかけることにはなりうるでしょう。自分をもっと成長させるためにも、もっともっと本を読んで、ブログを書いていきたいと思いました。

 

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法