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備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

「父として考える 東浩紀・宮台真司」を読んでコミュニケーションの大切さを感じたよ

育児 東浩紀

父として考える (生活人新書)

 

my本棚76冊目は批評家の東浩紀さんと社会学者の宮台真司さんによる対談本です。
お二人が2009年9月と2010年2月に対談した内容をまとめた構成になっています。対談当時、お二人には3~4歳の娘さんがおり、育児を通して見えてきたこと、考えたことが書かれています。

 

父とはどうあるべきか、といった家族論であるとか、育児のアドバイスとかはほとんどありませんので、正直育児の参考にはなりませんwただ、博学なお二人による、育児を通したコミュニケーション論や教育論、社会論が語られていますから、読んでおいて損はないですよ~。

 

今回の本の序盤でまず語られるのは、子供ができて初めてわかる地域やコミュニケーションについてです。

私も子供が生まれて痛感しましたが、住んでいる場所や地域によって子育てのしやすさは本当に変わりますよね。最寄り駅にエレベーターがあるかどうかだけでも選択肢が変わってきます。また、子供を通じてのコミュニケーションも増えてきます。

地域に関しては、若者であったり単身者は、下北沢とか西荻窪といった、人気ランキングに出てくる街を便利だと言って好むけれども、子供と生活するようになると色んな施設がまとまっている横浜やお台場が好まれるようになる話がうなずける所が多く、面白かったです。

 

育児について書かれている部分は多くはなかったんですが、そんな中でもためになった部分を抜粋してみます。

宮台 あたりまえのことですが、叱ったり忠告をしたりする場合、子どもはテクストレベルで学ぶのみならず、コンテクストレベルで学ぶのだということです。つまり、内容のみならず、形式というか、伝達のやり方も真似るということです。<中略>だから、説教したり、アドバイスしたりするときには、その内容ではなく、むしろ、どういう形式をとっているかのほうが、はるかに重要かもしれないんです。
<中略>
 親は子どもに実にたくさんのことを教えます。けれども、子どもが本当に学ぶのは、僕が教えている内容ではなくて、僕の形式、僕の無意識なんですね。そしてそれは親自身にとってはもっとも見えないものであったりする。だからこそ逆に、親にとっては子どもは勝手に育っていくようにしか見えない。

 子どもは親のコミュニケーションの形式を真似てしまうようです。なので親のコミュニケーション能力が大事になってくるのですが、(本の中でも語られていますが)その親の能力自体を鍛えるのが難しい。

私も含まれていると思いますが、近頃の大学生はグループワーク能力に欠けているそうです。こういうコミュニケーション能力に欠けているから国際的な競争力も低下していると本の中で指摘されています。

 

単純な結論としては、子どもにとって重要なのはコミュニケーション能力で、そのために複数のコミュニティに属していることが必要になるとのことです。ただ、東さんの思考の深さゆえに単純な結論にはとどまらず、コミュニケーション能力を鍛えるための希望が語られていますから、詳しくはぜひこの本を手に取って見てください。

宮台さんに関しては、前から名前は知ってはいたものの、著作を読んだことがなかったので、また別の本も読んでみたいと思います~。

 

父として考える (生活人新書)

父として考える (生活人新書)

 

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父として考える (生活人新書)

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