備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

【117冊目】「財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」を読めば本当のことがよくわかる

財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済 (講談社+α新書)

更新頻度が低くなっております…もっと本を読みたいんですがあんまり読めていません。すみません。さて、my本棚117冊目は経済評論家の上念司さんの本です。上念さんといえば当ブログでも何度か紹介している勝間和代さんと共に「監査と分析」という会社を運営している方です。 

また、時折メディア出演もされていて、私が愛聴しているニッポン放送のラジオ「ザ・ボイス そこまで言うか」にもゲストとして月イチくらいで登場されています。舌鋒鋭い主張が興味深かったので、今回こちらの本を手に取りました。 

 

メディアでは景気回復もその実感がない…などと日本の経済状況や政策に対して否定的な声が大きいと思います(確かに私も実感はあまりないですが)。ただ、メディアが流している論調は本当に正しいのでしょうか。著者が事実関係をしっかりと明示し、日本の経済状況が明るいということを主張しています。

 

 

なぜ財務省や新聞各社が日本経済の本当の状況を明らかにしていないのか。早速まえがきで著者はその理由を明らかにしています。今ある程度の地位にいる財務省キャリア官僚は、働き始めのころがちょうどバブル期。民間企業の羽振りのよさに歯噛みしていたそうです。その恨みか、景気が悪い方が民間に対して権限を振りかざすことができると考えているのだとか。本当かよ!と言いたくなる話ですが、案外そんな理由なのかもしれません。そして、その官僚から情報をもらわないと記事を出せない新聞社は、官僚に頭が上がらない状況とのこと…。官僚に都合の悪い記事が書けないということなのです。

 

そういった社会の前提を踏まえたうえで、著者は世間で言われている日本への心配事について答えています。例えば、日本には膨大な借金があるがこれは完済しなければならないのかという質問に、返す必要はないと断言。なぜなら国は人と違って永遠に続くと考えられているため、借金の増えるスピードよりも収入の増えるスピードの方がわずかでも大きければいずれは借金を返すことができると判断されるからです。これは、名目GDP成長率>名目公債利子率 という不等式で表すことができる「公債のドーマー条件」と呼ばれる経済の掟なのだとか。

 

といった感じで、他にも経済に関する巷の認識とは違った事実が詳しく書かれています。私は経済の知識がないのですが、それでも完読することはできたので、読みやすい内容になっているのではないでしょうか。これを機に、経済の本ももっと読んでみようと思います!