【111冊目】経営をV字回復させるアイデアを生み出すには 「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 森岡毅」
my本棚111冊目はマーケティングの専門家としてユニバーサル・スタジオ・ジャパンの経営に貢献した森岡毅さんの本です。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは2001年にオープンし、世界最速で来場者数が1000万人を超えるなど華々しいデビューを飾りましたが、その後は低迷…。そんな時にスカウトされた著者は2010年からの3年間で業績をV字回復させます。この本の出版後もさらに来場者数は増えていますね。
2010年度 約750万人
2012年度 約975万人
2014年度 約1270万人
2016年度 約1460万人
なぜ私がこの本を手に取ったのかというと、当ブログの人気記事にランクインしている岡田斗司夫さんがニコ生で紹介していたからです。
窮地に陥っていたUSJを救ったのは、著者の森岡さんの奇抜なアイデアだと言われています。ただご本人は自身をクリエイティブな人間だとは思ってはいなく、独自の発想法でアイデアを生み出していると主張しています。この本にはUSJを立て直した3年間の軌跡とその発想法が綴られています。
著者の森岡さんは、資金難の中USJを再興させるために出した様々なアイデアを生み出す発想法を「イノベーション・フレームワーク」と名付けています。
イノベーション・フレームワークは以下の4つの柱から成っています。
①フレームワーク 目的を達成するための必要条件(戦略)を明確にする
本の中に出てくる例としては、
<目的>彼女と仲直りする
<必要条件>彼女の好きなもので機嫌を取る
<アイデア>好きなアーティストのチケットを取る
というようなものです。
②リアプライ 必要条件を解決するアイデアをどこかから転用する
必ずしもアイデアは自分の中から生み出す必要はなく、まずは誰かが問題を解決しているアイデアを探してこれれば、手間も省け、成功確率が上がります。
③ストック 知識や経験を蓄えるほど、問題の解決策が思いつきやすくなる
主婦の方が便利グッズを発明することが多い様に、知識や経験といったストックが問題を気づかせてくれる強みになります。そもそも問題に気づけなければ、解決することもできないからです。仕事そのものやその周辺の物事に対して知識や経験といった幅や深さを増していくことが求められると著者は主張します。
④コミットメント どれだけ必死に考え続けられるか
最後の要素である「コミットメント」は、前の3つと違って精神論です。commitmentとは文字通りやりぬく覚悟や決意の意味です。「良いアイデアを絶対に思いつくぞ!」という気力のことです。今まで紹介した要素①②③は全て大事ですが、最後に成否を決めるのは、実はこれだと思っています。
よく考えてみると当たり前ですが、アイデアがそう簡単に思いつくほど世の中は甘くないですよね。来る日も来る日も考え抜いてこそ、アイデアは思い浮かぶのではないでしょうか。
本のタイトルにもなっているジェットコースターが後ろ向きに走るというアイデアは、著者が夢で見たものだったそうです。このエピソードからもわかるように、アイデアは頭の中に浮かぶというよりは、どこか遠い上の方から降ってくるという感覚なのだとか。
確かに私もトイレ中にちょっとしたアイデアを思いついた経験が何度かあります。何かについて考えていると、そこから離れたつもりでも脳が勝手に考え続けていて、ヒントみたいなものをポンと出力してくれるのかななんて考えたりします。
仕事で行き詰っているなど、何とかして状況を打破したい!と考えているような方にとってもおススメなので、ぜひ読んでみて下さい~。
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る