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備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

【110冊目】「人口と日本経済 吉川洋」を読んだら戦後の高度経済成長のカラクリがわかりました

人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)

 

my本棚110冊目は経済学者で東京大学名誉教授の吉川洋さんの本です。
去年から今年にかけてベストセラーになっていて書店に入ると必ず見かける本でしたが、ようやく読むことができました。

 

少子化による人口減少が警鐘されて久しいですが、それに対する政策なども目立って見られず、経済的な日本の衰退が既定路線となっています。ですが、そんな悲観的な未来予測を著者はきっぱりと否定しています。

 

人口が少なくなれば働き手が少なくなるわけだから成長が鈍化する…と単純に考えてしまいがちですが、歴史やデータを振り返ってみるとそうではないようです。人口よりもイノベーションこそが経済を成長させると著者は主張しています。

 

著者がイノベーションこそが経済を成長させると主張する根拠として、明治初期(1870年)から100年後の日本の人口と実質GDPの推移を比較したグラフが掲載されています。

転載はできませんが、人口の伸び率と比べるとGDPの伸び率は圧倒的です。つまりそもそも人口の増減と経済成長は無関係で、例えばシャベルを使って人力で地面を掘っていたのがブルドーザーという機械を利用するようになったように、技術の進歩が経済を成長させていると、この本の中で述べられています。

 

また、戦後の高度成長に関しても、田舎の農業から都市部の工業へ労働人口が移動してきたこと、その移動により世帯数が飛躍的に増えたこと、世帯ごとに必要になる洗濯機や冷蔵庫などの家電の普及などの条件が重なりあったことが要因になったと書かれています。

戦後に人がガムシャラに働いていたことも事実だとは思いますが、そういった精神論的な話では実際はなく、上に挙げたような条件が合致したからこその高度成長だったのでしょう。

 

そして、こういった歴史から考えると、今後予想されるIT化、AI化社会、もしくは第四次産業革命といった現象は正にイノベーションにあたるわけですから、日本もその恩恵を受けられる可能性は十分あるのではないでしょうか。

 

もちろん少子高齢化による人口減少が、社会保障費の現役世代への負担を増加させることは間違いないとは思いますが、それを補って余りあるほどのイノベーションが起こるかもしれません。

そういった未来を信じて、がんばって働いていきましょう~。