備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

投資を始めるならまず読んでおきたい「竹中先生、これからの『世界経済』について本音を話していいですか?」

竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか?

 

my本棚90冊目は当ブログでもおなじみ(?)作家で元外務省主任分析官の佐藤勝さんと慶応義塾大学教授の竹中平蔵さんによう対談本です。少し前に竹中さんとホリエモンの対談本を取り上げましたが、それの第2弾と呼べるでしょうか。

 

今回の本は2015年9月に行なわれた両氏の討論がベースとなっています。日本で最も世界情勢に詳しいであろう佐藤さんによる投資論は、すでに投資をしている方だけでなく、これから投資をはじめようと思っている方にとってもおすすめの1冊です。

 

本書は2部構成となっていて、1部がお二人の対談を文字起こししたもの、2部が対談で語りきれなかった部分をそれぞれが補足したものとなっています。

1部では15年9月当時の国際情勢や日本の政治の状況が語られています。具体的には移民・難民の問題や中東問題、中国の実体経済、安保法案成立に関してなどです。その辺りは今はまた情勢が変わってきていますが、対談の中で良い言葉だなと思った部分があったので引用してみます。

竹中 私、若い頃に先輩から言われた、非常に印象に残っている言葉があるんです。それは「川を上れ、海を渡れ」という言葉です。「川を上れ」というのは「歴史をさかのぼれ」という意味。今日私たちに起きている現象というのは、すべて歴史に結び付いているわけですよね。難民の問題だって全部歴史に結び付いています。一方、「海を渡れ」というのは、「海外ではどうなのか?」という意味。日本と同じような問題は、海外の国々でも全部抱えているわけです。それに対して、他国ではどういう対応しているのか、また国際的に日本には何が求められているのかを考えなくてはなりません。

 この言葉は国際情勢を見る時はもちろん、個人が抱えている問題についてもあてはめられるのではないでしょうか。本を読むなどしていると、自分の悩みに対する答えはどこかに書いてあるものです。また、これから国境という境目がなくなっていく中で、いかに日本の常識にとらわれずに考え、行動していけるかがカギを握っていると思います。

 

一方、2部では両氏のおすすめ投資法が書かれています。おすすめと言っても非常にまっとうなものなのですが、中でも佐藤さんの意見は簡潔で論理的です。

自分なりにまとめてみると…

  • 世界情勢を投資に生かすのは複雑すぎて困難
  • 資本主義において金持ちになるには人から搾取を行なう資本家になるしかない
  • それ以外の労働者は自分の時間や能力を使って賃金を得ていくしかない
  • 例外的な方法としては、腕の良い医者や弁護士、あるいはタレントになるなど代替のきかない職業に就くこと
  • 生きていくのには支障が出ない範囲の「腹にこたえる」資金で投資をする

こんな感じです。リスクを背負って投資をすることで本気で勉強するようになるし、多少の損も授業料と思えばよいとのこと。私も本業やブログ書きに支障が出ない範囲で、もっと投資を勉強したくなりました。それには実践が一番ですね。

 

世の中を生き抜く知恵が身につく1冊だと思います。ぜひ読んでみて下さい~。