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備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

真田丸もいよいよ終盤!「城塞 司馬遼太郎」を読んでみた

小説 司馬遼太郎 真田丸

城塞 (上巻) (新潮文庫)

 

my本棚65冊目は司馬遼太郎さんの「城塞」です。
以前当ブログで取り上げた、「関ヶ原」の続編にあたります。

 

前から著者の本は読んでいましたが、大河ドラマ真田丸」が面白いのでこの2つの本も読んでみました。

小説「関ヶ原」における真田家の出番は、昌幸と幸村(信繁)、信幸が豊臣側と徳川側に分かれ、昌幸と幸村が上田城にて徳川秀忠本多正信の進軍を食い止めるのがハイライトで、正直あまり話に出てきませんでしたw
(ドラマ「真田丸」でも、関ヶ原の話は一瞬で、あっという間に光成は死んでしまいましたね…w)

一方、「城塞」は幸村(信繁)が大活躍しますから、真田丸を見ている人なら「関ヶ原」より更に楽しめます!

 

…とここまでまるで「城塞」においても幸村が主役かの様に書いてきてしまいましたが、本作の主人公は「小幡勘兵衛」という人物です。

勘兵衛は(たぶん)「真田丸」には出て来ないのですが、家康が大阪城に送り込んだスパイです。初めはこの勘兵衛が大阪城に潜入し、「お夏」という淀姫の侍女と男女の関係になるエピソードなども描かれ、ハードボイルド小説かと勘違いしそうになりましたw

 

ただその後大阪冬の陣が始まると、豊臣側には統率をとる人間がいないながらも、幸村が真田丸を構築し、前田利常の軍を撃退する姿が書かれています!「関ヶ原」では特筆する所がありませんでしたが、本作では幸村が輝いていますw

その後夏の陣においても、絶望的な状況の中、何とかして家康に一矢報いてやろうという幸村の姿が描かれています。戦国時代最後の知将というに相応しいのではないでしょうか。著者からの評価も高いように感じます。

 

しかし、幸村の父昌幸が生前嘆いていたように、家康との戦いにおいて豊臣側はリーダーシップを取れる人間がいませんでした。幸村では知略があっても実績や人望がないため、統率は取れないだろうと昌幸は見抜いていたのです。

ヒステリックな淀姫、武士ではなく公家の様に育てられてしまった秀頼、家臣も家康側に裏切ってしまったり、無能で保身ばかり考えていたりと、読んでいてダメな企業ってのはこんな感じかもな…と思わせてくれましたw

本作の主人公、勘兵衛は自分なら豊臣家を上手く鼓舞し、徳川家を打倒できるかもと夢想しますが、秀頼の頼りなさなどあまりの豊臣側の脆さに手を引き、豊臣家の滅亡を見届けて物語は終わります。

 

関ヶ原」における島左近もそうでしたが、著者はストーリーテラーとして小幡勘兵衛という人物を主人公におきつつ、戦乱を描く手法を取っています。これにより、戦乱の中の誰か一人の主観になってしまうのを避け、俯瞰的に戦乱中の出来事を追っていくことができます。

しかしその中でも、本作では家康晩年の狡猾さと、幸村の獅子奮迅ぶりを堪能することができます。真田丸が終わってからでも、ぜひ読んでみて下さい!

 

城塞 (上巻) (新潮文庫)

城塞 (上巻) (新潮文庫)

 

 「関ヶ原」と同じく、kindle版3巻セットもあります!

 

城塞(上中下) 合本版

城塞(上中下) 合本版

 

 

<余談>

司馬遼太郎さんと言えば、たびたび「余談ではあるが~」といってエピソードを挟んでくるのがネットでもネタになっていますよね。

この本の中で、織田有楽斎という信長の年の離れた弟が出てくるのですが、その有楽斎の屋敷があったことが、東京の「有楽町」の由来という余談が出てきます。ある意味一番この余談が印象に残っていますwさすが司馬遼太郎ですね。

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