備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

AIやロボットに負けないスキルはこれ! 「武器としての交渉思考 瀧本哲史」

 

 

武器としての交渉思考 (星海社新書)

 

my本棚もようやく50冊目まで来ました。楽しみながらも毎回四苦八苦しながら書いていますが、読んだ本をブログに書評としてまとめておくのは個人的にも(少しは)社会的にも意味があることだと思っています。

まだまだ本棚と言えるほどには冊数がないですが、今年中に100冊は厳しいにしても、それに近い数の記事更新を目指してがんばります。

 

ということで今回は京都大学の客員准教授で投資家の瀧本哲史さんの本です。
こちらの本の前に出た「武器としての決断思考」が大ヒットしていて、私も以前読んだのですが(この本も記事にしたいのですが、ブログ休止中に読んで内容がうろ覚えです…)、今までのビジネス書にはなかった斬新な切り口が素晴らしいと思います。

武器としての決断思考 (星海社新書)

 

「交渉」という言葉にどんなイメージを持っているでしょうか。
あの手この手を使って、難しい要求を何とか相手に飲み込ませる…みたいなイメージを持っていましたが、どうやら違うようです。

というより、上の様な考え方で「交渉」を行なっているから要求が通らない、とも言えます。なぜなら、自分の利益しか考えていないからです。

 

そうではなく、自分の要求を通す事で、相手にこんな利益があると伝える技術こそが交渉なのです。
そしてこの交渉思考こそが、これからの時代を生き抜くための力になると思います。

 

ひとくちに交渉と言っても、家庭内でのお小遣いの金額から、国家間の領土問題に至るまで、その範囲は様々です。
それは逆に言えば、どんな関係においても交渉というものは存在するということなんですよね。

 

そんな交渉という必須スキルを身につける方法がこの本には書いてあります。
自分の要求(利益)を通すために、

・相手の利益は何なのか情報を得ておく
・交渉が有利になるような布石を打つ(アンカリング)
・最終的な要求を通すための譲歩を用意しておく
・相手の非合理な思考パターンを押さえておく

といった方策が紹介されています。
実生活の中で知らずに使っている場面もあると思いますが、理解して使えば成果は何倍にもなるのではないでしょうか。

 

著者はこれから生き残る仕事は交渉をともなうものだけと本の中で主張しています。
前回、第四次産業革命についての書評をしましたが、作業的な仕事はいずれロボットやAIに置き換わるでしょう。

作業であるとか、あるいは将棋や囲碁といったものはルールが存在しています。
ロボットやAIはルールを教えればその通りに動くことができるでしょう。

しかし、交渉とはルール自体を決めるものですから、非常にクリエイティブなものです。
また、ルールを決めるには何かしらの願望があるはずです。その願望をかなえるために何かを要求する「交渉」を行なうのですよね。

 

営業とか販売という仕事は交渉が必要な最たる職業かと思いますが、こういった職種はこの先も残ると思いますし、残るからこそ競争も激しいものになると思います。

ぜひこの本を読んで、これからの時代を生き残る力を身につけましょう!

 

武器としての交渉思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)