備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

自己啓発書を乱読する前に「座右のニーチェ 齋藤孝」を読もう

座右のニーチェ (光文社新書)

 

my本棚37冊目は齋藤孝さんの本です。
これまでに齋藤さんの本は2冊記事にしているのですが、どちらも人気記事にエントリーしています。
なぜエントリーしているのか自分でもわからないのですがw
(齋藤さんの本の中では比較的マイナーな本だからでしょうか)

後世に語り継ぐべき名著 「学問のすすめ 現代語訳 福沢諭吉 齋藤孝」 - 備忘録的 本棚ブログ

喫茶店、カフェで勉強や仕事をする方必読! 「15分あれば喫茶店に入りなさい。 齋藤孝」 - 備忘録的 本棚ブログ

 

今回の本もあまりメジャーではないのかも知れませんが、著者が生涯の友とするニーチェについて書かれた本です。
ニーチェと言えば「超訳ニーチェの言葉」がベストセラーになりましたが(私は読んでませんが…)、齋藤さんのこの本は「超訳~」よりも早く出版されています。

つまり決して世の中の流れに便乗して書かれたものなどではなく、著者がニーチェ読まなければならないものと熱い気持ちを持って紹介している本なのですね。

 

今回の本はニーチェの代表作「ツァラトゥストラ」の言葉を引用しながら、ニーチェと著者の考えを述べていく構成になっています。

私が感銘を受けたのは、「肉体の声を聞け」という章です。
ざっくり言ってしまえば、頭であれこれ考えるよりも、体で感じたことを大事にしろということ。

現代人は便利になり過ぎたがゆえにあまり体を動かさなかったり、余計なことばかり考えてストレスがたまってしまったりということが多いと思います。

しかし、実は食べたいと思ったものが今自分に必要な栄養素だという話にもある通り、体こそ本当に必要なものや大切なことを教えてくれるのではないでしょうか。

 

オリンピックに出るような一流のアスリートもこの肉体の声を大事にしているようで、例えばハンマー投げ室伏広治さんは、自分が回転してハンマーを投げているのではなく、ハンマーを中心とした遠心力で、自分は回転させられているという感覚を持っているのだそうです。

呼吸法や姿勢を深く研究している齋藤さんだからこそ、ニーチェの言葉をアスリートとも絡めながら解説できるのだと思います。
次々出る自己啓発の本よりも、ニーチェと齋藤さんの考えだけで真理がつかめるのではないでしょうか。

この本を読んで、もっともっとニーチェのことを知りたくなりました。
齋藤さんありがとうございます!

 

座右のニーチェ (光文社新書)

座右のニーチェ (光文社新書)