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備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

今から読んでも遅くない 「大震災の後で人生について語るということ 橘玲」

 大震災の後で人生について語るということ

 

 

my本棚25冊目は、金融の世界でするどく本質を突く橘玲さんの本です。

この本は、以前取り上げた森田正光さんの著書にも登場しています。


東日本大震災の後、日本人は改めて自分の生き方について考えなければならない時期に来ていると感じています。
日本には70年~80年の周期で大きな変化が訪れているという話を聞いた事があります。
1867年ごろの明治維新、1945年の終戦。
そして2011年の震災が、3度目の大きな節目であるのかもという話です。
正に今私たちは、歴史の転換点を生きている様に思います。

少し話がおおげさかも知れませんが、先が見通せない社会に、この橘玲さんの本は何かしらのヒントを与えてくれる本なのではないでしょうか。

 この本では最初の方に、皆が気付いていない事実がはっきりと示されています。
震災で亡くなった方は3万人にものぼりますが、日本は長期的にそれ以上の災害に巻き込まれているのです。

それは、経済が低迷しているがゆえの、自殺者の多さです。
1998年以降、中高年の男性自殺者が大幅に増え、震災までに10万人もの方が亡くなっているのです。

これは、明らかに日本の社会が歪んでしまっているという事だと思います。
それだけ生きにくい時代になっている事に、私たちはあまりにも無自覚です。

そんな現状から少しでも脱するのに、著者は本の中で、

①金融知識を得て、「人的資本」(自分で働く)ほかに「金融資本」を得る

②働く中で、自分なりの知識、技能、資格を得る

事が重要だと主張しています。

銀行に貯金を預けっぱなしの人が多いかと思いますが、(低迷期はある意味正解の行動でしたが)それでは金融資本を得る事はできません。
日本は金融に対しての教育を受ける機会が少なく、また金儲けは悪といった雰囲気があるため、投資になじみがありません。

しかしそれでは、いつまでたっても社会の歪みから抜け出すことはできないのです。
正しい金融の知識を得て、一人ひとりが金融資本を得る事が、歪みから抜け出す手段なのです。

また、これから更に技術が進んで仕事のAI化、ロボット化が進むと予想されます。
そんな将来に残された働き方は、ハンバーガー屋さんの様にマニュアル通りにやれば仕事になるマックジョブと、医師や弁護士、あるいは俳優やスポーツ選手といった誰でもできるわけではない「クリエイティブクラス」に分かれるだろうとこの本には書かれています。

マックジョブは簡単な仕事であるがゆえに低賃金だが責任も低い、クリエイティブクラスは重労働で責任重大になるが高賃金、という事でどちらが良い、悪いというものではないのですが、仕事が2極化していく事、どちらかを自分の生き方に照らし合わせて考えていく事が重要になりそうです。

橘玲さんは多くの本を書かれていますが、どれもTVでは話せないような残酷な本音が記されています。
しかしこの世は実際に残酷な部分があるのですから、それから目をそむけず、氏の本を読んで学んでいくのが必要なのではと思います。

 

大震災の後で人生について語るということ

大震災の後で人生について語るということ