備忘録的 本棚ブログ

読んだ本の感想や書評を備忘録的に書いていきます。本棚の様に積み上げていくつもりです。

反知性主義を克服するには「知性とは何か 佐藤優」

知性とは何か(祥伝社新書)

 

my本棚93冊目は当ブログおなじみ(?)作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんの本です。

 

著者は日本の政治が急速に「反知性主義」化している事に対し危機感を持ち、知性を復権させる必要があるとこの本で主張しています。

著者が定義する「反知性主義」とは、実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度というものです。自分に都合が良い物語の殻に籠るのが反知性主義者の特徴であり、合理的、客観的、実証的な討論を拒否する傾向があるとしています。

そして、反知性主義を克服し知性を復権させるには読書が必要だと著者は訴えています。さすが月300冊の本を読まれているだけはあります…!

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なぜ人は退屈だと感じるのか?気になったら「暇と退屈の倫理学 國分功一郎」を読んでみよう

暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)

 

ここ10日間ほど仕事が忙しく、メンタルもやられていたためブログを書くどころか本を読むのもままならない生活となっていました…。ようやく余裕が出てきたので再開です。ひとまず100冊記事を書くまではやめられません。

 

ということでmy本棚92冊目は哲学者、國分功一郎さんの本です。この「暇と退屈の倫理学」という本は2011年に発刊されたものですが、今回私が読んだのは2015年に増補新版として出されたものです。

人生の中で誰もが一度は暇だなと思ったり退屈だなと思ったりしたことがあると思います。本書はその暇と退屈について考察しています。なぜ人間は退屈だと感じるのか、動物にも退屈はあるのか、人間はいつから退屈を感じるようになったのか、など退屈への疑問が次々と提示され、それに対する答えが明らかになっていきます。

 

哲学とはいっても読みやすく、分厚い本ではありますが多少本を読みなれている人なら読みとおせる一冊になっていますよ!

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登場人物の魅力が光る「銀河英雄伝説3 雌伏篇」

銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫)

 

my本棚91冊目は銀河英雄伝説3巻です。10分の3まで来ましたが、宇宙が舞台という設定や登場人物の多さもあり、ダレる感じもなく一気に読めてしまうこの作品。

「銀河英雄伝説1 黎明篇」をゲーム感覚でのめり込む様に読みました

三国志に並ぶ名作!「銀河英雄伝説2 野望篇」

 

発刊が30年以上前でアニメ化などもされている事から、今更ブログでこの本について感想や書評をすることに需要は全くないと思いますが、備忘録的に記事にしておこうと思います。

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投資を始めるならまず読んでおきたい「竹中先生、これからの『世界経済』について本音を話していいですか?」

竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか?

 

my本棚90冊目は当ブログでもおなじみ(?)作家で元外務省主任分析官の佐藤勝さんと慶応義塾大学教授の竹中平蔵さんによう対談本です。少し前に竹中さんとホリエモンの対談本を取り上げましたが、それの第2弾と呼べるでしょうか。

 

今回の本は2015年9月に行なわれた両氏の討論がベースとなっています。日本で最も世界情勢に詳しいであろう佐藤さんによる投資論は、すでに投資をしている方だけでなく、これから投資をはじめようと思っている方にとってもおすすめの1冊です。

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自転車に興味があるなら「気がつけば100km走ってた 鶴見辰吾」を読んでみよう

気がつけば100km走ってた

 

my本棚89冊目は俳優の鶴見辰吾さんによる自転車本です。
当ブログで紹介してきた本の中では異色なものにあたると思いますが、単純にロードバイクに興味があるので読んでみました。

 

鶴見さんといえば私の中では金八先生のイメージが強いんですが(リアルタイムでは見てないですよ、念のため)、2007年には自転車活用推進研究会から二代目自転車名人に選ばれているんですね。(ちなみに初代が故・忌野清志郎さん、三代目は当ブログで何度か取り上げた勝間和代さんみたいです)

 

今回紹介する本は、そんな鶴見さんが自転車にハマったきっかけから経験したこともろもろ、おすすめのレースやコースなど、ロードバイクにまつわる事柄が網羅されています。

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天才になるための3つの能力をノート術で高めよう 「あなたを天才にするスマートノート 岡田斗司夫」

あなたを天才にするスマートノート

 

my本棚88冊目は天才になるためのノート術について書かれた本です。天才って努力でなれるものなの?とタイトルでびっくりしてしまいますが、内容としては著者独自のノートを使った思考法です。

性格が分かれば人生が分かる「人生の法則 岡田斗司夫」

「オタクの息子に悩んでます 岡田斗司夫」は究極のモテ本だと思う

 

岡田さんの本については他にも何冊か記事にしていますが、読むたびにその奇才っぷりに驚かされます。しかし今回の本を読めばなぜ著者は奇才なのか、独自の観点から物事を考察できるのかがわかります。

しかも、このノート術を使いこなせば最低でも岡田斗司夫程度にはなれると本人が書いています!これはもう読んで実践するしかないでしょう!

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生きてくことに悩んだら「中村天風と『六然訓』 合田周平」を読んでみよう

中村天風と「六然訓」 変革を実現する哲学 (PHP新書)

 

my本棚87冊目は工学博士で電気通信大学学長顧問である合田周平さんによる、中村天風氏の解説書です。

中村天風氏は思想家・実業家で、若くして病気を患ったことから世界中を放浪し、心身の修行の末病気を克服した後にその思想を広め、京セラの創業者稲盛和夫さんといった多くの著名人から師事された方です。

 

著者の合田さんも中村天風氏に師事した一人です。東日本大震災を経て、国家や個人がどう生きていくべきなのかを、天風の思想から説いています。

スピリチュアルなものとして警戒される人もいるかも知れませんが、精神的な話といってもむしろ武士道の様な「心構え」について天風氏も合田さんも説かれているので、仕事や生活の上でとてもためになる知見かと思います。

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